いきもの王国YAMADAI
お疲れ様です、2年の大塚です。
これは昨日の日記です。みなさん時を戻してください、3・2・1・ほい
ついに本番前、最後の土日です。いつも通り賑やかに、けれどどこか緊張して練習しています。
今回の話題は二本立てです。
ひとつめ。
この前の木曜日、大学構内にてヤモリを捕まえました。小さくてかわいい、ニホンヤモリです。
皆さんはヤモリを近くで見たことはありますか?
彼らはパッと見ガサガサしてて枯葉色の、地味な生き物ですが、よく見てください。裏側は全体がミルク色で、肌が薄い喉のあたりは血管が透けてあわい桃色をしています。
サイズは手の指ほどしかありませんが、生命力の塊で5年は生きるそうです。
そんな体の割に大きな足の裏は吸盤になっています。激しく動く生き物ではありませんから、捕獲ケースのプラスチックにギュッと足を引っ付けて、基本じっとしています。呼吸するたびにピンク色の喉がちょっと動いたり、銀色のくりくりした目がきょろきょろと周りを見ています。
かわいくないですか?
はい、かわいいですね。
こんなにかわいい生き物を捕まえちゃいました。
飼いたいですね。
ところで飼育下におけるニホンヤモリの主食を知っていますか?
それはコオロギです。
山大生ならおなじみの生き物でしょう。この季節になるとキレイな鳴き声が夜道に響き渡ります。
化学遺伝学も驚嘆する、合理的でメカニックさも感じる虫らしい節のあるデザインはオタク心をばっちり捉えます。
そしてなんと、彼らは足から音を聞くそうです。
皆さんお好きですか?
そうですか、私は嫌いです。
遠くから聞こえてくる、いとおかしな音ならともかく、足元の草原やペットショップで常に己の存在感を示し続ける大きな鳴き声、へんに持ったらパキッと割れて中身出てきそうな節だらけの体、大きくて黒い図体、いい加減にしてほしい。
別に音なんて足から聞こうが、穴しか開いてなかろうが、どうでもいいのです。
でもかわいいニホンヤモリは、この虫の生餌しか食べてくれません。責任をもってヤモリを飼うにはその前に何十匹もの黒い虫を飼わねばならないのです。
私はあきらめました。
ヤモリはうちの床にそっと離すと、いそいそと奥にある本棚の影に隠れていきました。
かわいいかわいいヤモリは、今もうちのどこかに住んでいる…のかもしれません。
もうひとつ生き物の話題。
大学会館で「あ」のスタッカートをしていたら、カエルがデュエットしてくれました。
「あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ」
「ゲコ・ゲコ・ゲコ・ゲコ・ゲコ・ゲコ・ゲコ・ゲコ・ゲコ」
私が発声をしだすと遅れて声が聞こえます。私がやめると、向こうもスンと鳴くのをやめます。
なんだかお話ししてるみたいでほほえましいですね。
それに顔も見えない相手との会話って素敵。
思えば幼少期、『崖のポニョ』の宗介がライトでカチカチ遠く離れた相手と会話をするのを見てわくわくしていたものです。
なんて言っているのかしら。今日はあの声は聞こえてくるのかしら。そう楽しみになるのは自然なことです。
しかし、調べてみると、カエルが鳴くのはオス同士の喧嘩の時というではありませんか。
つまり私が「今日もありがとう。素敵な鳴き声ね」と練習を終えるとき、カエルは私のことを「根性のない雄やのう。まあ今日はこんくらいで勘弁してやるわ。ほな」と思っていたわけです。なんてこった。
ぐぬぬ、このままでは終われません。
次は倒します。
先だ先だと思っていた公演も、ついに次の木曜日。飛ぶようにすぎる時に齧り付いて精いっぱい頑張ります。
みなさまどうぞお楽しみください。
どんな舞台が待っているやら…
~公演情報~
演目:『明日、宇宙人になります』
作:美崎理恵
演出:和田ひかる
日時:11/2(木) 19:00~20:00 (予定)
30分前から入場可能
場所:山口大学大学会館ホール
料金:無料
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