「僕は生きた。そして消える」

 某有名監督の某SF映画に出てくるロボットのセリフです。主人公のロボットと一緒に人間から逃げていた彼は、最後に捕まる時に主人公に対してこの言葉を残します。それまでロボットとしての言動しか取ってこなかった彼の、最も人間臭いセリフのはずなのに、かえってそのセリフで彼がロボットであることをはっきりと再認識させられ、主人公と一緒に逃げてきた彼がその過程でどのように『生きた』のかがわかる、素晴らしいセリフだと思います。正直その映画の話自体はそんなに好きではないのですが、このセリフだけはとても印象に残っています。
 
 まあ何が言いたいかというと、たった一言だけでも、いやむしろたった一言だからこそ、より深く伝えられることもあるのではなかろうかと、そう感じるような気がするわけです。脚本家が何を考えてそれを書き、監督(演出家)が何を思ってそれを演出し、役者が何を伝えたくてそれを演じ、登場人物は何をやりたくてそれを言ったのか。たった一言でそれらの全てがわかるようなこともあってはいいんじゃなかろうか、と思うわけです。その一言を思い出せば、それまでの過程やそれからの顛末までもが思い出せるような、そんなはっきりと印象に残る一言。どんな作品でも、それは作り出せるんじゃないかと、考えるわけなのです。多分。
 
 と、そんなことを考えたり考えなかったり考えてなかったりしながら今日もシーン練習してました。やっぱり色々と進んでくると楽しくなってくるものですね。全力でやったり力抜いたりしながら模索する日々ですが、答えが出つつあるのかなあ。近づいてはいるなずなんですが。もしかしたら答えがないのが答えなのだろうか。哲学だなあ。
 
 難しいことはあまり考えたくないです。では。
 
「僕は書いた。そして眠る」 田中
 
 
 余談ですが、上の映画のセリフ、英語と翻訳でニュアンスが違ってるらしいです。自分的にはナイス翻訳だと思うんですけどね。
 

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