新代表挨拶

秋の匂いがする。


涙の向こうで2つ上の先輩方を見送ってから
あっという間に、2度目の夏が来ました。
そして1つ上の先輩方が引退し、秋の匂いと共に新たな劇団笛が動き出しています。
少し肌寒くなった朝の空気に浸って、
気がつけば代表です。歴代代表の先輩方を見れば、私が「代表」と名乗るにはまだまだ不十分な点も多いひよっこですが、ひよっこと言ってる時点でまだまだなのです。笛のため、団員のため、自分のため。私が代表なんだと胸を張って言えるよう、努力を惜しまない人間でありたいです。

 よく、「なんで代表になりたいと思ったの?」と聞かれていました。言うタイミングではないかなあと思ったのも半分、口下手なのも半分(いや8割かもしれない)、なかなか全てを伝えるには至らなかった気がします。
それでも、伝えたいという意思は強くあるので、皆様良ければこの場をお借りして少しお話をさせてください。

悲しげな空に虹がかかったとき
思わず写真を撮る人、笑顔になる人、Twitterに書く人(時代を感じますね…)、仲のいい友人に話す人、いろんな人がいると思います。虹を見て嫌な気分になった人を、私は19年という豆粒みたいな人生を送ってきた中で知りません。ほとんどの人はちょっぴり弾んだ気持ちになるんではないでしょうか。
ただ、虹が消えるまでのその一瞬を写真に納めようと思っても、なかなか難しいんですよね。フィルター通しちゃうと薄いのなんのって。全然写ってないじゃん、虹。
きっと、それだから虹は人を幸せな気分にしてくれるのでしょう。肉眼でしか味わえませんよ、あの嬉しさは。そしてその綺麗な光は、人の顔を思わず上にあげさせるのです。

初めて同期に会った時、どうにも形容し難い感覚に襲われました。こんなに個性的な集団、今までに見たことないぞ、って。私の固定観念と常識を覆す出会いだったと思います。元気で、笑い声がでかくて、ベリーベリーマイペースで、優しくて、クールで、読むのが上手くて、自然体で。演劇やろうと思わなきゃ絶対一緒にいなかっただろっていう9人が集まったんです。奇跡に近い。1人1人違う色があって、1人1人輝ける原石を持っていて。紆余曲折あり、山も谷もあり、大変なこともたくさんだったけど、同期9人で立っている今が私は大好きです。それぞれの色がうまく重なり合った時、肉眼でしか見ることの出来ない、儚い虹になれると信じています。
だから、私は「同期のみんなの良さを伸ばして輝かせることができる代表になりたい」
…なーんて思うこともありましたが。たぶん、同期のみんなは自分の良さくらい自分で伸ばすことができるし、自分なりに輝いていると思います。少々の粗さはあるけれど、私が目にするには十分眩しい。そう気づいた時、考えが変わりました。大切なのは、まずみんなが自分の良さを伸ばせる環境を作りだすこと。良さを伸ばすのは前提、みんなはもっと先までいけるはず。だからこそ、その先に広がるみんなの「可能性」を十分に広げる手助けと努力をする代表でありたい、それが私の代表としての最終的な目標です。私は虹にならなくてもいいから、みんなが、笛の、みんなの、観てくれた人の虹となる日を夢見ています。

「可能性」を広げるというのは難しいことです。自分の可能性を広げることすら大変なのだから。ですが、「やりたい」という気持ちを尊重すること、「こうしたい」という意見を受け止めること、1人1人に向き合うことがその第1歩になるはずです。意見が真反対だろうと、私の意見と真反対だろうと、私は代表として、同期のうちの誰か1人さえ向き合うことを放棄したくありません。意見は千差万別であってこそ生きるものですから、耳を傾けることを諦めたくないのです。それはきっと大変で、精神的にもきついことだろうけど、せっかく出会った8人の同期を私は大切にしたいから。そして、第28代が引退する時、「笛、最高だった。」と言えるように、
「先輩たちの背中は大きかった」と言って貰えるように、私は努力で勝負します。

1年生の皆さん、みんなに虹を見せます。どうかついてきてくれると幸いです。もちろん、私はみんなともしっかり向き合っていたいんですよ。たくさんお話して、たくさん演劇しましょう。

同期の皆さん、これからよろしくお願いします。私を支えてくれるのは、いつもみんなでした。深い感謝を、覚悟で示します。
一緒に頑張ろうね!

OB・OG及び地域の皆様、いつも劇団笛を気にかけてくださったり、公演に足を運んでくださったり、厚い手助けをしてくださったり、本当にありがとうございます。ご心配をおかけすることも多いかもしれませんが、どうか見守ってくださると嬉しく思います。

それでは。

第28代代表  藤井唯

山口大学演劇サークル劇団笛公式ホームページ

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