1日目

すいません、寝落ちしてしまったので今日書かせていただきます。演出の田坂です。

1日目に来てくださった皆様、本当にありがとうございました。

今回は台本決定から合わせて四ヶ月くらいケラリーノサンドロヴィッチの作品と向き合うことができて、とても楽しかったです。ケラの作品は生で見たことはないのですが、戯曲はほとんど読んで、3.4個dvdで見たくらいです(来週の福岡の公演を観に行きます、楽しみ。)
ですがその１つの「グッドバイ」という作品を見て感動しました。プロジェクターなど、最新の機械を使ってお客様を飽きさせるだけでなく、役１つ１つを細部まで作り込んでいて、今まで見た作品の中で一番生きているように見えました。作品の内容も夏に行った公演と似通ってるところがあって、自分の役者として演劇人としての力の無さを、感動とともに痛感しました。
その後にナンセンス・コメディの作品を見ました。笑いに対する理解度と役者の技量が高く求められるこの笑いの種類は、今まで出会ったことのない難しい笑いの種類で、でも自分が最も理想としていた笑いでした。
ちなみに、僕がケラの中でトップクラスで好きな笑いは
湿布の箱の文字を うちみ
ねんざ
肩こり
を縦から読んで
みざりちんこうね肩 と読んだ挙句、語感が武者小路実篤と似てるというものです、やはりすごい。

こうしたケラの演劇は僕にとって理想の演劇で、いつか真剣に向き合って見たいと思っていました。それが今回早速叶ってしまったわけです。やってみるとやはり想像していた通り難しくて一度読んだだけでは何が面白いのかさっぱりわからないところもあり、演出も役者も技量が足りなくて苦悩する場面ばかりでした。ブレてはいけないのはその会話の何が面白いか、そこがブレなければやることは決まってくると学びました。思えば長いコントを作っているような気もしました…
そうした笑いが重い話でも暗い話でも織り交ぜてあることにより観客の感情を麻痺させることが出来るのがケラの演劇の１つの特徴だと思います。
それを実践することが僕の目標でしたが、やはり難しかったです。どうしても気持ちがお話に引っ張られてしまいました。

なにはともあれとにかくこの稽古の二ヶ月、苦しかったぶん楽しかったです。

最終日になりますが今日、ぜひ見に来てください。昨日見に来た人もぜひ見に来てください。全身全霊粉骨砕身で頑張ります。
お話をもっと知りたいという方は、戯曲をぜひ買ってください。Amazonなんかで買えると思います。